※多少ネタバレを含みます
試し読みの後大人買いした「ゆびさきと、恋々」
- 主人公「糸瀬 雪」は聴覚障がいのある大学生。
- 本の帯→「この手で、好きって伝えたい…。」
情報と感想
- 現在「デザート」にて連載中の作品。既刊10巻(2024年1月19日現在)
- 「日々蝶々」や「ショートケーキケーキ」等を描いた森下suu先生の作品。
- 現在アニメ放送中(2024年1月開始)
- 2021年にミュージカル化
聴覚障がいがある大学生の雪が主人公の少女漫画。
本の帯にもあるように手話が作中に出てきたり、LINEみたいなアプリで会話したりと
聴覚障がいであることに意味がある描写がたくさん出てくる。
そういうシチュエーションに萌えが詰まっている作品。
作者さんが実際に手話を日常的に使っている方から
手話を教えてもらいながら制作をしているようなので、
リアリティも担保されていて、作品としての質も高い。
雪の目覚まし時計がベッドに置いて振動するやつだったりする描写(音が聞こえないから振動で起こしてくれる)も日常として書かれており、そういう意味での解像度もかなり高い。
相手の口元が隠れている時、主人公は相手が何を言っているのか当然分からないわけで、それを利用した表現も漫画として面白いものになっている。
試し読みで読んだ後、気付いたら全巻大人買い。
現在アニメも放送中で2話まで放送されていますが、
作画のクオリティも高く、登場人物たちの声も合っているので
アニメの方もおすすめ。
▽試し読み▽
「狼の娘」
- 主人公「月菜」は受験を控えた3年生。誰にも言えない秘密を抱えて過ごしてきた。
- 本の帯→「狼と少女が織りなす青春ファンタジー」
情報と感想
- 現在「月刊flowers」で連載中の作品。既刊2巻(2024年1月19日現在)
- 「坂道のアポロン」や「月影ベイベ」等を描いた小玉ユキ先生の最新作。
かなり序盤や表紙でほぼ判明していることなので書くけど、
主人公の月菜は灰色の狼に変身できる女の子。
世界観的には現代日本の雰囲気で、月菜も普通の学校に通ってる。
周りに狼に変身できる人間がいなかったので、ずっとそれを秘密にして生きてきた。(両親は普通の人間)
自分の出自や進路、他人と違うことに悩む月菜の葛藤だったりが面白い作品。
幼少期(回想)に生肉を食べたり、夜に一人で散歩して親を悲しませちゃったりと、
狼っぽいことをしてしまうことで母が悲しむというのを理解して
そういった本能を隠して生きてきたっていう過去がある。
周りが悲しむからそれをしないっていう風に、
自主的に抑圧されている環境に月菜は置かれていて、
生きづらさを感じている月菜にかなり共感できて面白い。
生きづらさを感じてる人っていうのは現代でも多いし、私もその一人なので葛藤がすごく心に刺さってくる。
作中では月菜以外にも狼に変身できる人達が登場する。
2巻表紙の颯(黒い狼)と1巻冒頭で狼の姿で登場する霧斗(白い狼)。
狼(狼人)の設定を深掘りしてしまうと、読む楽しみが減ると思うので
あんまり書かないけど、今のところ重要な人物はこの2人っぽい。
単にこの2人とくっつくのかな?とかいう話の面白さ以外に、
世界観や狼になれる人(狼人)についての謎や、
主人公の出自についての謎など、話としての面白さにも惹かれる部分が多い。
おわりに
個性があると主人公のことを好きになった相手と主人公の関係にも
深みが生まれると個人的には考えていて、
そういう作品が好きな人にもっと届いたらいいなと思ったりする。
上であげた2作品とも主人公にすんなりと感情移入できるし、
他人に対しての態度も面倒なタイプじゃないので
読むのに抵抗感が低いというのもいいところ。
気になった方はぜひチェックしてみてください。
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