「バスタブで暮らす」
あらすじ
22歳女子、実家のバスタブで暮らし始める
「人間は、テンションが高すぎる」ーー
磯原めだかは、人とはちょっと違う感性を持つ女の子。
ちいさく生まれてちいさく育ち、欲望らしい欲望もほとんどない。物欲がない、食欲がない、恋愛に興味がない、将来は何者にもなりたくない。できれば二十歳で死にたい……。
オナラばかりする父、二度のがんを克服した母、いたずら好きでクリエイティブな兄、ゆかいな家族に支えられて、それなりに楽しく暮らしてきたけれど、就職のために実家を離れると、事件は起こった。
上司のパワハラに耐えかね、心を病み、たった一ヶ月で実家にとんぼ返りしてしまったのだ。
逃げ込むように、こころ落ち着くバスタブのなかで暮らし始めることに。マットレスを敷き、ぬいぐるみを梱包材みたいに詰め、パソコンや小型冷蔵庫、電気ケトルを持ち込み……。さらには防音設備や冷暖房が完備され、バスルームが快適空間へと変貌を遂げていく。
けれど、磯原家もずっとそのままというわけにはいかなくて……。
「このライトノベルがすごい!2023」総合新作部門 第1位『わたしはあなたの涙になりたい』の【四季大雅×柳すえ】のコンビで贈る、笑って泣ける、新しい家族の物語。
引用:https://www.shogakukan.co.jp/books/09453146
感想
「一度でも社会のレールから外れて鬱になったり病んだりしたことがある人」
+
「親が病気になる年代の人」
にぶっ刺さる作品だと思った。
個人的に主人公と共感する部分も多くて終始泣いてた。
あらすじには「笑って泣ける」とあったけど
笑いの要素はどこにあるのかちょっと分からなかった。
ずっと泣いてた。
親が癌になるっていうのは現実でも珍しくないことだと思うし、
それが実際に起こったときに自分はどういう風に対応したらいいんだろうとか、
死が近づくことによって人間って変わるものだから、
どういう風に親が変わってしまうんだろうとか、そんなことまで考えさせられた。
表紙のイラストとタイトルに惹かれて買ったけど、
ここ最近で一番心に来る1冊だった。